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夕刊フジ 平成18年7月21日付「神内治の大化け前の関西中小企業」より  ※許可を得て掲載しています。

●成長中の関西中小企業を特集する欄で弊社が取り上げられました。 「オーディオボーン」の話題を中心にして、 ゴールデンダンス全般のことが触れられています。


音楽も"骨で聞く"
骨伝導ヘッドホンが大反響

"骨で聞く"骨伝導ヘッドホンを開発、急成長の途上にあるのは、 ひとりの主婦が「世の中の役に立ちたい」と立ち上げたベンチャー企業。
耳に、ではなく、耳のすぐ前の骨の部分に、スピーカーヘッドを当てる。 音楽がきわめてクリアに聞こえてきた。耳の穴を指でふさぐと、音はさらに明瞭になった。 普通に耳で聞くのと比べても、音質にほとんど違いはない。
骨伝導ステレオヘッドホン「オーディオボーン」(税込み1万4490円)。 開発・商品化したのは骨伝導の専門メーカー、ゴールデンダンス。
人間の耳は通常、空気中を伝わる音の振動を鼓膜でとらえ、 「蝸牛」という器官を通して脳に伝える。この本来の空気伝導の過程をスルー、 直接骨から蝸牛に音の振動を伝えるのが、骨伝導の仕組みだ。
この技術はすでに、補聴器をはじめとする聴覚障害者向けの製品や、 軍用のヘッドホンなどに使われている。2年前には、 あごの骨や頭部に押し当てて音声を聴く携帯電話機も発売された。
だが、これまでの骨伝導スピーカーで伝わる音は、鮮明度に欠けた。 よりクリアで、音域の広い音楽にも対応する、 オーディオ用ステレオヘッドホンとして世に出たのは、 オーディオボーンが世界初だという。
「子供の学校のPTA活動をしていて、私でも何か世の中に役立つことができないか、 と思っていたのです。 そんなときたまたま出会ったのが、難聴者用の骨伝導補聴器でした。」
平成14年1月、ただの主婦にすぎなかった中谷明子さんが、夫の任徳さんとともに、 その骨伝導補聴器の販売代理店として立ち上げたのが、ゴールデンダンスだ。
会社設立後、独学で骨伝導について勉強。 メーカーにさまざまな商品開発の提案を行ったが受け入れられず、 「それなら」と自ら開発・製造を始めた。 音楽用として開発した骨伝導ステレオヘッドホンは、 音を伝える振動子の仕組みに独自の方式を考案、従来の音声通信用に比べ、 音域が50-5000ヘルツと、格段に広い。骨伝導振動子と、 骨の形に沿って自由に動く可動式のスピーカーヘッド、装着性に優れ、 コンパクトに折りたためる形状などを対象に、昨年10月、特許を申請した。
昨年12月末から本格的に売り出し、これまでに1万9000個を販売。 当初の窓口となったインターネットの「楽天市場」では、 発売後1カ月でランキング上位に入った。大手の家電量販店でも取り扱うようになり、 大阪・梅田のヨドバシカメラでは、1週間で200個を売り切った。
近く、音楽配信が進む携帯電話用のほか、トランシーバーと接続し、 声を聞くのも送るのも骨を介して行う通信用の「ダブルボーン」、 耳を酷使するコールセンターのオペレーター用「オペレーションボーン」を 新たにラインアップ。この秋には、 これまでにない補聴器タイプのものを商品化する。
大手メーカーへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給も検討。 今年5月から韓国の工場が稼働を始め、 そこを拠点として視野に入れるのは海外市場だ。
「原点は、人に喜んでもらえるにはどうすればいいか。 いつもそれを考えています」という」中谷社長。 今年12月期の売上高3億円は、今ある商品だけでも見えてきている。
途方もない可能性を秘めているといわれる骨伝導技術。 その将来性に共鳴して、同社の急成長の足音がはっきりと聞こえる—。

骨伝導ヘッドホンが大反響

[写真キャプション]
「社名の由来?うれしいと踊りだしたくなるでしょう」と中谷社長
耳をふさがないため、難聴だけでなくさまざまな用途に使える







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