[2008年No.883]
労政ジャーナル
((株)労働ジャーナル発行)
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(許可を得て掲載しています。)
技術は人のためにこそ
「Crazy!!」「Very Fantastic!!」——今年1月、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「インターナショナルCES」において、ゴールデンダンス(株)(http://www.goldendance.co.jp)のブースでは、こんな驚嘆の声が何度も飛び交った。耳を使わずに骨を使って音楽を聴くことができる骨伝導ヘッドホン「Audio Bone」を試聴した人々の多くが、示した反応だ。同社が骨伝導ビジネスに参入したのはわずか6年前。独自の研究を重ねた結果、世界で初めて、音域の広い音楽用骨伝導ヘッドホンの開発に成功した。これまで骨伝導では不可能と言われていたクリアな音を再現したことにより、欧米を始め中国、香港で特許を取得するなど、世界市場を見据えたビジネスに拡大しようとしている。しかし大手メーカーを驚かせたのは、品質の高さもさることながらその販売価格だ。「必要としている人が購入しやすい価格に——ここだけは絶対譲れないのです」と語るのは、同社代表取締役&CEOの中谷明子さんだ。今年が勝負の年なのだという。
——空気の震えではなく、骨の震えで「音」を聴くのが、骨伝導という仕組みだそうですね。耳以外から音を聴く——これには、どんなメリットがあるのでしょう
大作曲家であるベートーベンも、骨伝導で「音」を聴いていました。聴覚に障害をもっていた彼はタクトを口にくわえ、それをピアノに押し付けて作曲していたそうです。ピアノの「音」は振動として歯に伝わり、それが頭がい骨を振動させ、耳の奥にある「蝸牛」という器官を通して脳に伝えられます。また、水中で生活するクジラやイルカも下あごの骨を振動させ、音を感じているそうです。骨伝導の大きな特徴として、「騒音のもとでも音が聴き取りやすい」「鼓膜を使わないので、疲労しにくい」ことが挙げられます。ヘッドホンは耳の少し上の骨の部分に、スピーカーヘッドをあてて使用するのですが、耳の穴をふさがないので、周囲の音もちゃんと聞こえます。もちろん、ある種の難聴の方にも効果があることが確かめられています。
——すでに様々な職場で、骨伝導の技術が活かされているとのことですが
外部との連携をとりつつ、周囲の状況を的確に認識しなければならない警察官・自衛隊や消防士、警備員として働く方にとっては、大変有効です。最近ではコールセンター運営企業からの受注も増えていますね。長時間にわたってお客様に対応するオペレーターの方から、「耳の疲れが減りました!」との嬉しい声がたくさん届いています。
日常生活においても、近年は携帯電話や携帯機器の普及によって、ヘッドホンを使用する機会が増えています。通常のイヤホンだと耳への負担が大きいということで購入する方も多いですよ。また、先日もトライアスロン競技に携わる方から、ぜひアメリカの関係者に売り込みなさい!と勧められました(笑)。好きな音楽を聴きながらのトレーニングはアスリートにいい効果をもたらすそうですが、周囲の音が遮断されて危険なため、現在は禁止されているそうです。
——今後は補聴器タイプの新型モデル、ブルートゥース搭載モデルの販売などを予定しているそうですね。骨伝導の新しい技術には、いろいろな可能性が秘められているようですが、開発成功の要因はどこにあるのでしょう。
私たちがあくまで「リアルな音」「生きた音」にこだわるのは、6年前に難聴者用の骨伝導補聴器に出会った時の感動があるからです。難聴になった知人が、それを使うことによって普通に会話ができたのです。メーカーの販売代理店として夫婦2人でこのビジネスを始めたのも、そしてその後自社開発という一歩を踏み出したのも、その時の感動が原点になっています。私自身は専業主婦生活からいきなり社長業への転身ということで、もちろん最初は戸惑うことばかりでした。アイデアマンである夫の発想力、そして何より子供たちの協力無しには、この開発は成功しなかったでしょう。家族であれ社員であれ、お互いに人として支え、相手を思いやり認めること、そんな日々の積み重ねが人に喜ばれるものづくりにつながるのだと信じています。
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